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法科大学院既習者適正試験免除についての検討

法科大学院既習者適正試験免除についての検討

1 概要

法科大学院の適性試験について、志願者のうち、法学部の卒業生ら法学既修者は受験が免除されるよう制度の見直しを文部科学省が検討していることが分かった。そこで、このような判断に至った原因について検討する。

2 背景

 (1)適正試験の存在意義
 適正試験は、法科大学院入学時に、法科大学院における学修の前提として要求される能力を測るものであり、一定程度の判断力・思考力・分析力・表現力等の高度専門職業人として備えるべき資質・能力を測るものである。もっとも、法律そのものの試験ではないため、文部科学省の検討結果報告資料によると必ずしも法科大学院の成績や司法試験の成績との相関関係が強いとはいえないとしている。そこで、法科大学院の入学者選抜では、適性試験、小論文、面接などの総合評価で合否が決定されているが、適性試験の成績と法科大学院の成績との間に強い相関関係は認められないため、年々、適性試験の成績の配点の比重を下げる法科大学院が増えているという現状がある。
 (2)法科大学院教育の軽視
 法科大学院受験者が減って、予備試験の受験者数・合格者数が増加し、予備試験が主流との認識や法科大学院軽視という現状が生じている背景としては、大学生や法科大学院生等が法科大学院に対して多大な学費負担を感じていることや、社会人が法科大学院に進学するケースにおいては、社会人が現状の合格率の低さから仕事をやめて合格を目指すにはリスクが極めて高い等の理由がある。このような現状から、法曹を目指す優秀な学生は予備試験合格を目指し、予備試験に合格できなかった場合には法科大学院に行くという印象が定着し予備試験受験が拡大している。そして、そのような傾向は、法科大学院に入学を果たした学生にも影響を及ぼしており、入学してもなお予備試験を受験する準備を進めている者が多く、そのため法科大学院教育において中心となるプロセスを重視する思考が身につかず、短絡的に結論だけを求める思考方式から抜け出せない者が増加してきているとの声も聞く。

3 コメント

 適性試験は、法科大学院の学修に必要な思考力などをみるため、法科大学院入試の1次試験として課されている。しかし、適正試験が免除されることで、司法試験と同様、法律そのものの試験のみで判断されることになり、法科大学院入学の受験勉強の負担軽減となると同時に進学しやすくなる。その結果、進学選択者の数の増加が見込め、また法科大学院廃止の阻止にも繋がるので、適正試験の廃止を支持したい。もっとも、既習者だけでなく、未修者に対しても、同様の背景があることから、未修者に対する免除が今後検討される方向になっていくのではないかといえる。

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