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法科大学院から見た予備試験 予備試験のあり方に関する意見書

法科大学院から見た予備試験 法科大学院協会意見書より

法曹となるには法科大学院と予備試験の2つのルートがある。しかし、本来「予備」のルートであるはずの予備試験の受験者は制度開始より増加し、その一方で法科大学院は入学者が減少している。このような現状において、法科大学院側は予備試験をどのように考えているのだろうか。今回は2014年11月12日に法科大学院協会が発表した、予備試験のあり方についての意見書から、予備試験制度の問題点をとりあげる。

意見書の詳細はこちら
予備試験のあり方に関する意見書(法科大学院協会)

予備試験の目的と現状

意見書では予備試験について以下のように述べている。本来、法曹の資格を得るためには法科大学院を終了することが大原則であり、予備試験は、経済的事情や既に実社会で十分な経験を積んでいるなどの理由により法科大学院を経由しない者にも法曹資格を取得する適切な途が確保されるよう、法科大学院を修了しない者についても司法試験を受験する可能性を開く制度として認められた「きわめて例外的な制度」であった。

しかし、現状の予備試験は受験資格に制限を設けていないため、2014年度の予備試験においては、法科大学院生と大学生が受験者の45.3%、合格者の78.4%と多くを占めており、本来の対象であった出願時に有職者であることが明確であるものは受験者の28.4%、合格者の10.1%にとどまり、この傾向は年々強まっている。

また、試験科目や出題形式が司法試験と類似することから、予備試験は司法試験の「模擬試験」としても利用されているとも指摘している。

予備試験の弊害

このような現状は、以下の弊害を生じさせている。
① 旧試験制度が抱えていた弊害である、司法試験に合格する能力のみを重視することにつながる。
② 学部生などが早期合格することにより、予備試験合格者の方が優秀であるとする風潮が生まれる。
③ 法科大学院生が受験できることにより、法科大学院における試験科目以外の授業に対する熱意が低下する。
④ 早期から受験できることにより、一定の時間とコストを要求する法科大学院への進学意欲を低下させる。

予備試験の見直し案

意見書では、このような現状を受けて以下の改善案を提示している。
① 試験科目の見直し
法律基本科目については、出題数を増やして幅広い知識を問うようにする。基礎法学(法哲学、法社会学等)・隣接科目(政治学、経済学等)から2科目、展開・先端科目(倒産法、労働法など)から数科目の試験科目を課すようにする。
② 受験資格の見直し
法科大学院在学生の受験を認めない、法科大学院修了者と同等の年齢に達するまで受験を認めない等の制限を設ける。

コメント

意見書は、法科大学院側が考える予備試験制度の問題点を指摘するものである。志望者の減少、補助金のカットなどにより法科大学院が厳しい競争にさらされる中、予備試験の利用者が増加することに対する強い危機感を表したものといえる。

本意見書はあくまで予備試験に対する法科大学院側の意見であるため、今後予備試験制度の見直しが行われる場合でも、前述の見直し案の通りに改正されるとは限らない。しかし、予備試験を受験中、またはこれから受験しようとする方は、試験科目の変更または受験資格の見直しが行われる可能性があることに留意して学習計画を立てる必要があるだろう。

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