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弁護士任官制度の現状

* 弁護士任官制度の現状

概要

 当サイトでは以前に、弁護士任官制度の概要についての記事を掲載したことがある。弁護士任官制度とは、弁護士の豊かな経験や知識を裁判に反映させ、社会常識や庶民感情を軽視した判決を防ぐという目的で、弁護士を裁判官に登用する制度のことである。今回は、弁護士任官までの手続の流れと問題点に着目していきたい。

手続き

 弁護士任官の手続きは、
①応募
②弁護士任官推薦委員会による推薦手続き
③最高裁への任官申し込み
④下級裁判所裁判官指名諮問委員会審査
⑤最高裁裁判官会議
⑥閣議決定(内閣による任命)
⑦任官
という流れになっている。

問題点

 弁護士会は当初、年30人以上の任官を目標として掲げ活動を行ってきたが、平成15年度の任官者数こそ10人であったが、平成16年度以降は11年連続で1桁の任官者数にとどまっている。この任官者数の低迷の出発点である平成16年度は、指名諮問委員会の審査が始まった年である。指名諮問委員会とは、任官手続きの透明化のために、外部委員や裁判所関係者で構成され、最高裁の諮問を受けて希望者の任官の是非を審査する機関であり、この諮問機関の審査では約4割が落とされ、いわゆる「4割問題」と言われている。個別の採否の理由は非公表であるが、同委員会は、候補者の取扱い事件リスト記載の相手方代理人や所属する弁護士会に対応する地域の裁判官・検察官からも情報収集を行っているほか、担当した判決書・審判書の写しも参考資料とされており、日々の業務内容や態度が厳しく審査されるものと考えられる。

コメント

 裁判官に任官される者は司法試験合格者の中でもごく一部の者であり、任官の門は非常に狭いのが現状である。しかし、司法修習後に裁判官となれなくても、弁護士として信頼を積み重ねることで裁判官となる道は確実に残されている。裁判官としてキャリアアップをしたいと真剣に考える者は、法曹者であるとの意識を忘れず、弁護士の業務に真摯に取り組むことで、自らの理想に近づくだろう。これは、弁護士任官制度を通じて裁判官を志す者に限らず、キャリアアップを目指す全ての者にとって日々の意識と奮闘こそがその近道だといえそうである。

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