司法試験、予備試験の受験生のための情報配信サイトです。

弁護士の職域の拡大

弁護士の職域の拡大

はじめに

弁護士の伝統的な働き方は、裁判外では交渉や契約書等法的文書の作成・確認、裁判では代理人・弁護人活動というものです。これらの業務は、現在でも多くの弁護士にとって主要な業務といえますが、同時に新しい働き方を開拓する弁護士も現れてきています。
具体的には、組織(企業・官庁・地方自治体等)内で働く弁護士、ADRに従事する弁護士、公設事務所・法テラスで働く弁護士、法科大学院の教員として働く弁護士などです

新しい職域・働き方

まず、企業内弁護士とは、企業の従業員・使用人・役員として職務を遂行している弁護士をいいます。
企業内弁護士の数は、2001年の66人から徐々に増加し、2014年には1179人にも達しています。特に近年急増しており、2010年の428人から4年で2倍以上に膨れ上がっています。採用企業も、2000年代前半は外資系企業や証券会社等に限られていましたが、現在は日本企業の間にも広がりをみせ、銀行や商社、一部メーカー、IT企業の間で特に広がっています。2014年、日本では、弁護士を抱える企業は計619社にまで広がっており、採用人数トップのヤフーは18人もの弁護士を抱えています。

次に、官庁や地方自治体に所属する弁護士には、通常の公務員として採用された場合と任期付公務員として採用された場合があります。
かつて、弁護士は原則として報酬のある公職を兼ねることができませんでしたが、弁護士法の改正等ととに、現在では、国家公務員と地方公共団体において任期付公務員制度が導入され、弁護士登録をしたまま、報酬のある公職を兼ねることが可能となりました。随時、官庁や地方自治体が採用の募集をかけています。

また、ADR(裁判外紛争解決手続)に対しては、弁護士は、代理人としてはもちろんですが、中立の第三者たる仲裁人・調停人・あっせん人として従事することも可能です。
ADRには、裁判所で行う民事・家事調停等の司法型ADR、行政で行う行政型ADR(建設工事紛争審査会、労働委員会等)、民間で行う民間ADR(各弁護士会仲裁・あっせんセンター、日本知的財産仲裁センター、住宅紛争審査会、財団法人日弁連交通事故相談センター、財団法人交通事故紛争処理センター、日本商事仲裁協会等)等、多様な種類があります。
ADRは合意による解決を基本としており、裁判とは異なり、柔軟な解決を目指すものです。裁判業務や通常の代理業務と異なって、ADRの担い手として、中立性や公平性、コミュニケーションスキルなども要求されます。

さらに、全国に設立された公設事務所や日本司法支援センター(法テラス)に勤務するスタッフ弁護士になるという働き方もあります。これらのスタッフ弁護士は、都市部では主に民事法律扶助事件・国選弁護事件・国選付添事件等を扱っており、司法過疎地域ではさらに法律相談・事件受任など有償法律サービスも扱っています。そして、自治体福祉課・保健所・児童養護施設等の関係機関と緊密な連携を取りながら仕事に取り組むことになります。

他にも、法科大学院では、専任教員のうちおよそ2割以上は実務家教員でなければならず、実務家教員は5年以上の実務経験を有していなければなりません。このように、規定の実務経験を経た上で、法科大学院の教員になるというキャリアパスも考えられます。

powered by HAIK 7.0.5
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. HAIK

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional