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山梨県弁護士会、法律相談にチケット制導入――件数減少対策に

山梨県弁護士会、法律相談にチケット制導入――件数減少対策に

1.概要

 山梨県弁護士会は、住民が無料相談を受けるための新たな手法として、今年11月から「チケット制」を導入する。
 チケット制度は、地方自治体が市民に対して法律相談のチケットを発行し、弁護士会が運営する法律相談センターがチケットを持参した市民に対して無料法律相談を提供する制度をいう。チケット制では、相談件数に応じ弁護士会が自治体に費用請求をすることになる。
 
 県内10市町村が同会と委託契約を結び、法律相談会を開催しているが、未契約の市町村も残る。同会は未契約市町村にチケット制を提案し、11月にも制度開始したい考えだ。一方、すでに委託契約を結んでいる市町村でも、予約枠が埋まる相談会以外にチケットを併用することもできることとなる。チケット制度を最初に導入したのは1994年の福岡県弁護士会だが、その後新潟県、埼玉県、東京都三会でも導入され、今回山梨県弁護士会でも導入に至ったという経緯である。

2.弁護士会の狙い

 自治体のメリットとしては、自治体主催の法律相談会などで生じる財政負担を、実際のニーズ相応の費用まで抑えることができる点にある。また、住民としても、今まで以上に、無料で法律相談を受ける機会が確保される。
 もちろん、弁護士会にも狙いがある。弁護士会が運営する法律相談センターの相談数は全国的に減少を続けている。チケット制により委託契約を結ぶ自治体を増やし、相談件数を確保し、それを機に潜在的な相談ニーズを開拓するためにも、同制度は欠かせないというわけだ。

3.コメント

 東京三会が共同で運営する「法律相談センター」のデータでは、平成21年度の件数は3万3921件であったものの、平成22年度以降は3万件を下回る水準で毎年度逓減し、平成25年度の件数は1万9832件と2万件を下回っている。相談件数の減少傾向には、司法制度改革により弁護士の数が急増し、それにより各法律事務所での法律相談も活発化していることが背景にある。

 弁護士会の法律相談業は、弁護士を利用する敷居がまだ高かった時代に、多くの市民が遍く弁護士の法律相談を受けられる体制を設けるために行われ始めた。弁護士の法律相談を受けられる体制が充実しつつあることの指標と捉えれば、同業務は、その役割を達成しつつあると言うこともできる。ただ、司法制度改革により弁護士も急増するなか、同業務には、自力で仕事を見つけられない若手弁護士への救済手段という実質的な役割も重視されるようになった。長期的には同業務は終了すべきものだとしても、法曹業界の実態に合わせ、軟着陸させることが必要だ。

 東京都三会が運営する「法律相談センター」の予約申し込みが、今年4月からネットで行えるようになったのも、相談件数減少への対処策としてだった。
 ネット予約受付やチケット制度のように、相談件数の確保に向けた対応策が、今後いっそう各弁護士会には求められてくるだろう。

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