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司法試験と予備試験

司法試験と予備試験

1 司法試験委員会の議事録

司法試験委員会109回会議の議事録を覗くと、司法試験と予備校の採点基準についての深い議論があったので紹介する。とある理事は、過去に目にした予備校がやっている答案練習の採点基準は、この点に触れていたら何点というような極めて細かいものであったが、実際の司法試験の幹事と考査委員の意見交換において同席して聴いた限りでは,一般的にはある程度まとまった論点ごとに整合的に説得力をもって論じられているかを評価するという手法がベースとなっており、また理論力や分析力、説得力を評価するという点では共通であると認識しているという趣旨の発言した。
この発言に議事録上では別段異議が出されていないことからも、司法試験と予備校の採点基準の違いは司法試験委員がある程度共通して認識しているもののようである。

2 司法試験と答練

実際、予備校の答案練習会(通称答練)では、採点基準が緻密に設定されるのが通常である。だとすると、予備校での答練の採点基準は司法試験の合格を目指すうえで有用ではないのだろうか?

確かに、司法試験委員が指摘するように、理論力、分析力、説得力を考慮することもできるだろう。しかし、それらは採点者の主観による部分が大きく、客観的に採点することが難しくなり、個々の採点者の裁量が大きくなり、場合によっては公平さを失うことにもなりかねない。そのような採点を行えるのは、有識者の中から採点者を選択し、答案を返却することが予定されていない司法試験だからであり、採点者の質が担保されず、採点後の答案を返却し、その後のアフターフォローを行う予備校には不向きであろう。
逆に、細かく設定された予備校の採点基準には客観性という強みがある。如何に理論力や分析力、説得力に加点されていると言っても、内容が最重要であり、その内容について細かく設定された採点基準は、知識の定着と応用力を測る指標として有用であろう。

3 コメント

議事録の中には、出題趣旨・採点実感において、複数の構成を示したうえで、どういう場合にはどうなるという突っ込んだ内容を書くべきとの発言もあり、今後更に内容が拡充されうる。しかし、採点実感は答案の書き方を示すものではないとの認識も示されており、あくまで当該年度の当該科目のガイダンスに過ぎないという認識で書かれているようである。また司法試験委員たちは受験生に対して答案の書き方や、あらゆる論点に触れなければならないとの誤解を与えることを防ぐために相当慎重になっており、そのまま答案が書けるような具体的な内容にはならないだろう。そのため、出題趣旨や採点実感は今後も当該年度の当該科目のガイダンスとしかならないと思われる。受験生としては、答練の採点基準と採点実感の特性を理解して、うまく使い分ける必要がある。

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