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司法分野における女性の進出の現状

司法分野における女性の進出の現状

現状

 2014年3月末時点で、2014年3月31日現在の女性弁護士数は6336人で、1990年からの24年間で、女性弁護士の数は約8倍に増えている。
 種別にみると、女性の比率(括弧内は90年時点の比率)は、裁判官23.1%(5.0%)、検察官21.4%(2.1%)、弁護士18.1%(5.5%)となっており、90年と比較すると、いずれも大幅な増加が認められる。検察官や裁判官については、現在の採用における女性割合が3割を超えるなど、女性の活躍が着実に進んでいるといえる。
 また、内閣府の資料によれば、第3次男女共同参画基本計画において、「2020年30%」の目標に向けて、検察官、裁判官及び弁護士について女性の参画の拡大に取り組むこととしており、そのための方策として、様々な働き方やキャリア形成に応じたロールモデルの発掘、メンター制度(企業において、新入社員などの精神的なサポートをするために、専任者を設ける制度)の導入 や、仕事と生活の調和推進等の取り組みを積極的に行っている。

政府の取り組み

 政府は、今年6月26日に行われた「すべての女性が輝く社会づくり本部」の会合において、女性参画拡大や社会課題解決を主導する女性育成等、5つの柱を基礎とする方針をまとめた。
 司法の分野についてみると、法曹における女性の活躍を更に進めるため、法科大学院の養成過程において、女性法曹養成に向けた取り組みを推進することが掲げられた。

 【具体的な内容】(女性活躍加速のための重点方針2015より)
 ① 将来法曹となり得る女性人材の効果的な育成のため、法科大学院における公的支援の枠組みを使い、女性法曹輩出のための取り組みなどの法科大学院における先導的な優れた取り組み促進に向けて、支援に加算をする。加算にあたっては、女性法曹輩出のための取り組みを挙げることを検討するとともに、女性法曹輩出のための取り組みを行っている法科大学院の好事例を各法科大学院に周知する。
 ② 検察官については継続就業のための環境整備に引き続き配慮する取り組みを進め、裁判官についても同様の取り組みを行うよう期待する。

法科大学院での取り組み

 早稲田大学大学院法務研究科では、今年度から、女性法曹輩出推進プロジェクト(Female Lawyers Project、通称FLP)を行っている。これは、女性法曹の意義を意識した授業編成や、学修支援と動機づけを目的とした女性の教員・実務家によるサポートなどを中心として、法曹を志望する女性の学修支援体制を組織的に強化し、女性法曹の増加と活躍の場の拡大を目指す取り組みである。
 具体的には、若手女性弁護士による座談会が行われるなど、学生が女性法曹と接し、学生に法律家としてのロールモデルを示す機会を与えるいい取り組みの一例であると考えられる。
 もっとも、このような取り組みは、一法科大学院だけでなく、法務省や日弁連が中心となって全国的に行われるべきものと考える。

コメント

 人口減少が叫ばれる現代において、女性の活躍の場を広げることにより女性の進出をより加速させることは、男女平等という人権的な観点はもちろん、経済的な観点からも重要であるといえる。また、司法の分野で多様性を確保する点においても、女性の法曹を増やす意義は認められる。
 しかし、単に女性の比率を上げるだけが「女性が輝く社会」に繋がるのか。
 政府がいう「女性が輝く社会」とは、すべての女性が、その生き方に自信と誇りを持ち、活躍できる社会を指す。そのためには、法曹を目指したい女性が経済的要因等により目指せなくなることを避ける仕組み作り、そして法曹を目指す女性を増やすため、法曹の魅力を周知させていくことが重要であり、それはもはや女性に限定された課題ではない。
 もちろん、性別による体力の差は、長時労働を原則とする弁護士の業務に関わり、法曹を目指す女性にとってはネックとなるうえ、中小規模事務所における産休・育休制度の未整備など、女性特有の課題についても一つずつ解決していく必要がある。しかしそれ以上に、法曹界が、激減する法曹志願者を食い止め、優秀な人材を確保するためにも、様々な面で魅力的な職業であるよう、ワークライフバランス等働きやすい環境の整備をするなど、多様な働き方ができるような制度づくりをしていかなければならない。

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