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公認会計士試験制度からみる司法試験制度の未来

公認会計士試験制度からみる司法試験制度の未来

【概説】

 日本の三大国家資格は、弁護士・公認会計士・医師という場合や、弁護士・公認会計士・不動産鑑定士という場合など、いくつかの組み合わせがある。いずれにせよ、弁護士と公認会計士は含まれていることが多い。司法試験を受験されている方は、司法制度改革の一環として国民への法的サービス提供の拡大のために法曹人口を増加させるとして、年間3000人程度の合格者を出すといわれていたことをご存知であろう。しかし、公認会計士試験も制度改革が行われたことを知っている司法試験受験生の数はそう多くはないと思われる。公認会計士試験制度と司法試験制度には、国の計画と現実が食い違い、当初の計画を修正したという共通点があるため、今回は公認会計士試験制度をご紹介したい。

【公認会計士試験制度】

 金融庁は、平成18年、一般企業で働く会計士を増やすために公認会計士試験の合格者を増やし、会計士の数を平成30年までに5万人程度まで増やすとした。しかし、金融庁の狙いとは異なり、一般企業が試験合格者を採用するケースは増えなかった。当然のことであるが、企業は未経験の合格者よりも監査法人や会計事務所で実務経験を積んだ会計士を求めていたからであり、金融庁の狙いと現実との間にズレが生じていたからである。また、リーマンショックの影響で景気が低迷していたことも企業による採用を消極的にさせる一因となった。
 公認会計士は、試験合格後2年以上の実務経験を積むことが公認会計士として登録する条件の1つとされている。この条件から、難関試験に合格しても実務経験が積めず公認会計士と名乗ることができない、いわゆる「待機合格者」が大量に生まれるという問題が生じた。この問題を解決するために、合格者数を絞り込み、合格しにくい試験に逆戻りし「待機合格者」の数はかなり減少した。そして、数年前から、景気回復の影響や海外子会社の対応などで企業のコンサル需要が急増し、平成26年度の合格者の就職戦線は空前の売り手市場となったのである。

【公認会計士試験の合格者数・合格率の推移】

合格者数 合格率
2004年1378人 8.4%
2005年1308人 8.5%
2006年3108人14.9%
2007年4041人19.3%
2008年3625人17.1%
2009年2229人10.5%
2010年2041人 7.9%
2011年1511人 6.5%
2012年1347人 7.5%
2013年1178人 8.9%
2014年1102人10.1%

  (2006年から試験制度変更)

【コメント】

 司法試験合格後の就職難や司法試験合格者を減少させるとの方針など、司法試験を取り巻く現状に困惑している司法試験受験生も多いのではないだろか。公認会計士試験の平成26年度合格者は「待機合格者」問題がピークの時に勉強を始めた人たちも多く、リスクを取った選択が報われたという結果になった。自分の人生の将来設計をするためには、リスクをどう捉えるかは避けては通れない。司法試験の受験をしている方や、司法試験の受験を考えている方は、今後の司法試験がどうなるのかを予測するための資料として、公認会計士試験制度の改革を参考にしてみることも有益であろう。

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