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予備試験について改めて考えてみる

予備試験について改めて考えてみる

 弁護士・裁判官・検察官になるには、司法試験に合格することが必要です。司法試験を受験するには、法科大学院を修了するか、予備試験に合格する必要があります。
 予備試験は、法科大学院修了程度の知識・能力があるかを判定する試験で、合格者には司法試験の受験資格が与えられます。
  【受験資格】 
 受験資格に年齢や学歴の制限はありません。
  【試験科目、内容】
 試験は三次試験まであり、最終的な合格率は3%程となっています。
①憲法・民法・刑法・商法・民訴・刑訴・行政法・一般教養の短答式試験(マークシート)
(5月に実施)
 試験問題の7~8割は、同時期に行われている司法試験の本試験の問題と同じ問題となりますので、高いレベルの知識が必要となってきます。もっとも、旧司法試験の刑法でよく見られた複雑な論理操作・事務処理問題は出題がなく、そのような形式の問題が出題されたとしても簡単なものにとどまります。また、多くの受験生が苦手意識を持っている一般教養は、40題のうち自分が分かりそうな問題を半分選択して答えればよく、短答式試験の合格については法律科目で7割一般教養で4割以上が基本的な目安になると思います。
 なお、短答式試験の合格者は、およそ20%程になります。
②憲法・民法・刑法・商法・民訴・刑訴・行政法・一般教養・法律実務基礎科目(民事)・法律実務基礎科目(刑事)の論述試験
(7月に実施)
 法律科目の論文試験は司法試験の本試験と比較すると基本的なものにとどまります。定義、趣旨、要件、効果といった基礎知識を一通り理解・記憶して演習に取り組むと良いでしょう。また、予備校の答練など自分の書いた答案の添削を受けられる環境は合格のためには必須となると思います。
 一般教養科目については、題材になりやすい時事問題などについて関心をもっておく必要があります。対策としては、例えば、新聞の社説を読むことがあげられます。もっとも、一般教養科目では差がつきにくいので、問いに答えるという基本的な姿勢を崩さずに守りの答案を書いておけば十分といえます。
 法律実務科目は、少しイメージすることが難しいかもしれませんが、実体法と訴訟法の中間に位置し両者をつなぐもので、例えば、訴訟物の把握、手続の手段、攻撃防御方法、事実認定についての基本的な理解が求められます。また、細かな手続まで理解が求められますので、短答式試験の勉強と同時並行で対策するといいと思います。
 なお、論文試験の合格者は20%程になります。
③法律実務基礎科目(民事)・法律実務基礎科目(刑事)の口述試験があります。
(10月に実施)
 実体法の知識・理解よりも実務の手続面や要件事実を中心に理解が求められます。司法試験予備校で口述の模擬試験も行われているので参加してみてはいかがでしょうか。旧司法試験の口述試験とは異なり、不合格となると、次の年はまた短答式試験から受験することとなります。
 なお、口述試験の合格率は、90%程になります。

予備試験の問題点

 本来、予備試験制度は、経済的事情などの理由により法科大学院に進学できない者や既に社会人経験があり法律に関する実務の経験のある者が、法科大学院を経由せずに法曹となる道となるはずでした。しかし、予備試験には、合格できれば法科大学院に入学する必要がなく経済的にも時間的にも負担が少なくなる点や、就職に有利であるというメリットがあり、現実には大学生や法科大学院生の多くが受験しており、合格者の多くを法科大学院生が占めています。今後も司法試験合格を目指す学生達の間では、法科大学院へ行くよりも予備試験を受験する方が合格への近道と見なされる傾向が強くなるかもしれません。もっとも、このことは、司法制度改革により旧司法試験で行われていた「点」での選抜ではなく法科大学院を通じた教育で法曹を養成するよう転換した新しい試験制度の存在意義を損なうものであり、法科大学院協会などで問題視されているので、受験資格をある程度制限することなど今後予備試験制度に変更があるかもしれません。

コメント

 現在の司法試験制度の下で、法曹になるためのルートとしては、法科大学院ルートと予備試験ルートが考えられますが、上記のような問題点があるので今後予備試験の制度が大きく変更される可能性もあります。もっとも、法科大学院の統廃合や予備試験の受験者・合格者の増加などに見られるように、現状としては予備試験の役割が以前よりも重要なものとなっています。
 以上、予備試験の概説をしてきましたが、予備試験の受験を考えている方は是非参考にしてみて下さい。

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