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お茶会を通じて弁護士が被災地で活躍

お茶会を通じて弁護士が被災地で活躍

 時の経過は早いもので、東日本大震災から4年が経過した。昨今、相次ぐ弁護士の不祥事があり、本分とは関係のないところで世間を賑わす法曹界であるが、本稿では被災地で支援活動を続けてきた弁護士たちに焦点をあててみたい。
 岩手県沿岸部の津波被災地で活動してきた弁護士らが3月6日、東京都内で開かれたイベントで、これまでの支援活動と今後の課題について語った。

お茶っこやります

 被災地で活動する弁護士は通常業務に加え、仮設住宅に出向いて法律相談を実施している。しかし、もともと弁護士過疎だったエリアでは弁護士に相談するハードルが、とにかく高いという。
そこで、『法律相談会』などという堅苦しい名称を使うことなく、ハードルを下げるため、「すみません、弁護士なんですけど、お茶っこやりますんで、よかったら来てください」と声をかけているそうだ。
 お茶っこというのは、お茶会のことで、お茶を飲みながら、紙芝居を見てもらい、その後に隣に座って「何か困ったことないですか」と聞くと、ようやく少しずつ悩み事を聞かせてもらえるのだという。相談の中にはもっと早く弁護士に相談しておけば良かったという案件もかなりあったようである。
 

被災地で生じている問題点

・被災ローン減免制度の適用の狭さ
 この制度は、震災によって返済が難しくなったローンを、一定の要件のもとで「減額・免除」する手続きである。しかし、『40代の夫婦、中高生の子どもが2人。自宅は全壊流出。住宅ローンが2700万円残っていた。なんとか家を再建したいが、貯金がない』というケースでも年収が世帯で700万ほどあるという理由で、制度利用を断られていたという。このように、2700万円ものローンが残っていれば、新しいローンを組むのは無理で、住宅再建を諦めざるをえない。被災沿岸部の民間賃貸住宅は空きがない状態だったことをふまえると、民間住宅の空きのある他の地域に移らざるをえず、結果として復興の担い手が外に流出してしまう。被災ローン減免制度の目的は、被災者の生活再建を支援して、被災地の復興・再活性化に資することなのに、今の運用では逆に、被災地から人が流れ出ることになってしまっているようだ。
・生活保護制度への理解不足
 被災者の中には生活保護制度への理解が不足しているとしており、客観的には最低生活水準以下なのに、生活保護申請をしないケースもあるのだそうだ。
・地場産業の衰退と人口流出
 釜石市周辺では、震災復興による活気こそあるが、地場産業の衰退や人口の流出が進み、更地がいつまで経っても更地のままで、まちづくりの将来像が見えないことで、諦めや停滞を招いているようである。

最後に

 被災地では、老後の方程式として想定していた「戸建て+年金」という構造が崩れてしまった状況である。また、高齢化問題が震災で加速し、被災地はいまや、高齢化問題における最先端地域となってしまっている。そんな被災地の現状を変えようと東京に戻ったいまも被災者支援や立法提言などに取り組んでいる弁護士もいる。絶対に被災地を忘れずに、最後まで支援し続ける強い思いが伺える。
 今後、司法試験を受験し、弁護士を目指される方は今回ご紹介したような、崇高な理念を持った弁護士になって欲しいと願うばかりだ。

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