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「弁護士ゼロワン地域」解消 地方と弁護士の関わり

「弁護士ゼロワン地域」解消 地方と弁護士の関わり

ゼロワン地域の解消

 5日、島根県隠岐諸島の3町1村を管轄する松江地裁西郷支部管内に「隠岐ひまわり基金法律事務所」が開設された。西郷支部管内は昨年2月以降、全国253の地裁と地裁支部管内で唯一の「弁護士ゼロワン地域」(地裁支部があるのに弁護士がいないか、1人しかいない地域のこと)となっていたが、今回の事務所開設により「弁護士ゼロワン地域」はすべて解消された。
 

日弁連の取組み

 弁護士過疎の地域においては市民が司法サービスを受けづらいという問題がある。特に「弁護士ゼロワン地域」が忌避されるのは、弁護士には原則として一方当事者の担当にしかなれないという制限が課されるため、当地域では利害が対立する問題が生じた場合に他の地域の弁護士に依頼するしかない当事者が出てきてしまい、当事者の負担が大きくなってしまうためである。このような問題を解消するために、日弁連は過疎地域対策に取り組んできた。例えば「日弁連ひまわり基金」において、地裁支部単位で法律事務所の数が0から3の地域を「第一種弁護士過疎地域」、4から10の地域を「第二種弁護士過疎地域」と区別して、それぞれに「ハコモノ」法律相談センター(弁護士会が設置主体となり、弁護士会館や公共施設の会議室等を借りるなどして固定の相談場所を設置し、相談日には弁護士が常駐して法律相談を行う形態のセンター)の設置や運営のための資金援助を行っている。また、特別な対策を必要と認めた一部の地域においては、弁護士及び弁護士法人の独立開業支援も行っている。

コメント

 この度の「弁護士ゼロワン地域」解消も上述の支援の成果と考えられるが、「弁護士ゼロワン地域」とまではいかずとも弁護士過疎の地域は依然として存在している。地方にはそもそも弁護士の仕事が少ないというのがその理由の一つと考えられる。しかし、地方が疲弊し高齢化が進む現代社会においては、強引な勧誘販売、詐欺的な取引といった消費者被害が今後増えていくと予想される。そうすると、地方における弁護士のニーズもまた増えていくのではないだろうか。過疎地域の仕事だけでは食べていけない、という現実があるとしても、住民が安心して暮らせる地域の実現のためには弁護士の存在が不可欠である。弁護士の使命である社会正義の実現と弁護士本人の生活維持を両立するためにも、インターネットを利用した法律相談を拡大するなど、地方における弁護士のニーズに応える方法を模索する必要がある。

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