司法試験、予備試験の受験生のための情報配信サイトです。

≪司法試験選択科目≫知的財産法の有用性

≪司法試験選択科目≫知的財産法の有用性

法務省が発表した平成27年度司法試験出願者速報によれば、選択科目別の受験者の割合は、例年同様①労働法(29.08%)②倒産法(19.02%)➂知的財産法(13.44%)が上位を占めた。
司法試験をこれから目指す人にとっては、選択科目をどのように選択すべきか悩むことだろう。そこで、今回は司法試験後の展開も踏まえて、知的財産法選択の有用性を考えてみたい。

選択科目はどのようにして選ばれているか

選択科目受験を選ぶ上で、一般的に受験生は、①実務での有用性②出題範囲の広狭(司法試験勉強上の負担)を中心として総合的に検討して決定しているものと考えられる。
現在、労働法、倒産法が他の選択科目と比較して出題範囲が広く、学習の負担割合が大きいと言われているのに反して受験者数が多いのは、弁護士になった後、労働法・倒産法に関する案件に携わることが不可避であり、実務上有用性が高いと判断したためだと思われる。
弁護士実務上の有用性の観点から言えば、たしかに知的財産法は専門性の高い科目であり、また、知的財産の内容によっては、法律以上に理系の知識が必須となることから、実用性に疑問がなくもない。この点が知的財産法の最大のデメリットともいえるだろう。

知的財産法選択の利点

上記のように、実務での有用性に疑問を持つ受験生は少なくないと思われるが、知的財産選択には利点が多い。

① 出題範囲がそれほど広くない

知的財産法は労働法・倒産法に比べて出題範囲が狭く、学習負担が少ない。司法試験受験者の目標が司法試験合格にある以上、費用対効果を考えることは必須である。学習負担は極力減らす事が望ましく、その点で知的財産法は労働法・倒産法に比べて利点がある。

② 他の資格試験に応用が利く

また、司法試験には回数制限がある以上、司法試験に不合格だった場合のリスクも検討する必要がある。多くの受験生は合格しか視野に入れていないだろうし、視野に入れることが消極的に捉えられることもあるかもしれない。しかし、司法試験合格者は1500人に減少する見込みで、今後さらに減少の可能性もある。このような現状においては、他の資格への転用も視野に入れるべきであろう。
この点、知的財産法は、弁理士、知的財産管理技能士等の資格に応用できる他、ビジネス法務検定の出題範囲にもなっており、仮に司法試験が失敗しても、学んだことを応用してキャリアアップを図ることが可能である。この点では、労働法も社会保険労務士・衛生管理者、ビジネス法務検定といった他の資格でも出題範囲となり、応用の余地はある。
しかし、倒産法は司法試験以外にほとんど応用できる資格がない。潰しが効かないという点で、倒産法は一歩劣るだろう。

➂弁護士として安定した収入を得やすい

弁護士の収入格差はよく耳にする事であるが、収入の高い弁護士の特徴として企業と密着しているという事があげられる。特にM&Aや知的財産を専門として差別化が出来ている弁護士の方が年収が高い傾向にある。

④就職・転職上有利となる場合がある

仮に司法試験が失敗した場合、企業就職に移行する受験生がほとんどであろう。しかし、特にロースクール卒業生は30代前後で職歴もなく、就職活動に苦労しているのが実情だ。せっかく法律を勉強してきたのだから、法律知識を生かして法務職に就きたいと考える者も多いだろう。

就職活動において、選択科目で特別不利な扱いを受けることはない。しかし、法務職で知的財産法の知識があることを歓迎する企業は多く、知的財産法の履修をアピールポイントの一つとすることが出来る。また、専門分野によっては理系的専門知識がなくても活躍できる場面が想定できる。このような点から、知的財産法は企業から歓迎される科目と言えよう。

コメント

最終的には受験者個人が当該科目に対する興味であったり、ロースクールや予備校等における指導者や勉強仲間の存在も踏まえて総合的に判断すべきであるが、選択科目決定の参考となれば幸いである

powered by HAIK 7.0.5
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. HAIK

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional